「登記簿の表題部の所有者が古いままなのは問題ないか?」とのご質問

登記簿、登記記録、表題部

愛知県犬山市/名古屋市丸の内 の司法書士 丹羽一樹です。

ご質問内容とその事例

先日、お客様より、

「表題部の所有者欄に記録のある所有者の名前が、昔の所有者のままなのは問題ないのか?」

というご質問をいただきました。

登記記録について、こちらの見本をご覧ください。

この登記記録の事例の場合、現在の所有者は「法務五郎」です。

令和1年5月7日に、「法務五郎」が「甲野太郎」から、この不動産を買っています。

しかし、表題部の所有者欄には、前の所有者である「甲野太郎」が記録されています。

回答

解説

表題部の所有者は、登記簿が作成された時の所有者が記録され、その意味でしかありません。

登記簿というのは、「表題部」→「権利部」という流れで、記録が重ねられていきます。

登記簿は、まずは「表題部」のみから記録がされていきます。

「表題部」というのは、土地であれば地目・地積、建物であれば種類・構造・床面積が記録されるところです。

それに加えて、登記簿が作成された時の所有者が所有者欄に記録されます。

「権利部」とは文字通り、所有権などの権利が有る者についての住所氏名(本店商号)が記録されます。

「権利部」に所有者の記録が入れば、「表題部」の所有者の記録は必要なくなるため、そこの所有者の記録は抹消されます。

実際には記録ごと消し去られるのではなく、そこに下線を引くことが抹消を意味します

登記記録は、履歴を分かるようにするため、効力のなくなった文言は消し去られる訳ではなく、過去の記録として残り続けます。

(変更に限らず、当初から誤って登記がされ、それを修正する必要があるときも、その誤った文言についても消し去られることはなく、あくまで下線が引かれた状態で残ります。)

結論としては、表題部に(下線が引かれた)「甲野太郎」の名前が残っていることは、登記のルールに従い、何も誤りではありません。

備考

登記は“見やすさ・分かりやすさ”を意識して作られていないので、登記法のルールを把握している者でないと、なかなか読み取りづらいかもしれません。

登記記録に関してご不明な点がある方は、司法書士までお気軽にお問い合わせください。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA