相続登記は自分でできるのか|手続きの流れと実際に進める際のポイント

名古屋市丸の内の司法書士 丹羽一樹です。
相続登記が義務化されてから2年ほど経ちましたが、「自分で相続登記はできますか?」というご質問をいただくことがあります。
結論から言いますと、相続登記はご自身で行うことも可能です。
実際に、ご自身でお手続きをされる方もいらっしゃいます。
では、どのように進めていくことになるのでしょうか。
■ 相続登記までの基本的な流れ
相続登記は法務局で行う手続きですが、ただ「法務局へ行き手続をする」というだけでは相続登記は完了できません。
その前に必要な書類を揃えたり、申請書を作成したりといった準備が必要になります。
一般の方(司法書士ではない方という意味)が法務局へ行くと、相続登記について法務局の職員にご相談をしていただくことも可能です。(このご相談にはご予約が必要となります。)
そこで相続登記の進め方について教えてもらえる思いますが、一般的には、次のような流れで進めていくことになります。
①「誰が相続人であるか」を証明するための戸籍集めをする。
②上記①で判明した相続人全員で遺産分割協議をし、遺産分割協議書を作成する。相続人全員が実印で捺印をする。
③戸籍以外の必要書類も揃える。
④登記申請書を作成する。
⑤登記申請書及び必要書類を法務局へ提出する。
⑥提出後、法務局の処理(2週間~1か月ほど)が終わると、相続登記が完了となる。
⑦登記簿には相続人の名義が反映され、法務局から新しく権利証(登記識別情報通知)が発行される。
※ただし、上記の流れはあくまで一般的に多いケースの場合の流れとなります。遺言書が有ったり、登記簿の状況によっては、多少の違いが生じ得ます。
■ それぞれの手続きのポイント
実際に進める際には、それぞれの段階で確認すべき点があります。
例えば、
・被相続人の出生から死亡までの戸籍に漏れはないか
・戸籍から相続人の読み取りに漏れはないか
・相続人全員が遺産分割協議に参加できているか
・遺産分割協議書の内容は、相続人全員の意思が正しく反映されているか
・登記申請書は、不動産の表示など記載すべき事項に漏れや誤りがないか
といった点です。
■ ご自身で行う場合に起こり得ること
・戸籍を集めてみたが、古い戸籍の手書きの文字が読み取りづらく、関係が分かりにくい
・戸籍が揃っていると思っていたが、法務局から不足を指摘される
・法務局から「書類の記載内容に漏れや誤りがある」と指摘される
といったケースもあります。
そのため、ご自身で相続登記を進める場合、法務局へ行くのはたいていは1回では済まず、複数回足を運ぶことになることもあります。
■ 自分で進める場合の注意点
相続登記は、ご自身で進めることも可能な手続きです。
その一方で、
・戸籍の収集や確認に時間がかかる
・手続きの途中で修正が必要になることがある
・法律的な判断に迷う場面がある
といった点はご注意が必要です。
■ 相続登記はなるべく早くやっておくに越したことはない
相続登記は、現在“義務化”となっているため、原則として放置しておくことは認められていません。
ただ、義務のため以上に、なるべく早くやっておいた方が良い理由があります。
それは、例えばその不動産を「すぐに売りたい」あるいは「担保に出して融資を受けたい」などの事情が発生したときに、相続登記が済んでないと、それらのことがすぐに実行できません。
まずは相続人への承継を済ませてからでないと、売却や担保提供ができないのです。
いざ大事な場面がいつ来ても、慌てて対応しなくて済みように、相続登記はなるべく早くされることをお勧めいたします。
そして実際に相続登記を「自分で進めるか」「司法書士に依頼するか」は、費用や時間などを踏まえてご選択されることになると思いますが、慌てて対応しなくて済むご状況であれば、よりご自身で進めやすいかと思われます。
また、よくお見かけするのが、「自分でやってみたけど、途中で断念したので依頼したい」という方もいらっしゃいます。
このような場合、「最初から司法書士に依頼した方が良かった」というように思われる方も少なくありません。
本記事が、相続登記を「自分で進めるか」「司法書士に依頼するか」のご判断のお役に立てば幸いです。
