「マイホームを売ったときの3000万円の特別控除の特例」とは?-不動産売却時の税金を大幅に軽減する特例について-

自宅

愛知県犬山市/名古屋市丸の内 の司法書士 丹羽一樹です。

不動産を売却したときに売却益(譲渡所得)が出ると、所得税や住民税が課税されますが、一定の条件を満たせば「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除の特例」を適用でき、税負担を大幅に軽減できます。

今回は、この制度の概要や適用のポイントについて解説いたします。

1. 「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除の特例」とは?

通常、不動産を売却したときに売却益(譲渡所得)が出ると、それに一定の税率を掛けて所得税や住民税が課税されます。

「譲渡所得」とは、「 売却価格 -(取得費+譲渡費用)」

「居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除の特例」とは、自宅を売却した際に、最高3000万円まで譲渡所得から控除される制度です。

譲渡所得が3000万円以下であれば、課税所得はゼロとなり、税金もゼロになります。

2. 3000万円特別控除の適用条件

この控除を受けるためには、一定の要件を満たす必要があります。

✅ 自宅(居住用財産)を売却すること

この制度が適用されるのは、売主本人または生計を一にする家族が実際に住んでいた住宅です。

🏡 居住の認定はどう判断される?

「居住用財産」と認められるかどうかは、住民票の記録や公共料金の支払い状況などから総合的に判断されます。

以下のような場合は、基本的に「居住用」として認められます。

• 売主自身が住んでいた自宅(単身でも、家族と同居でもOK)

• 配偶者や扶養親族が住んでいた場合(所有者自身が住んでいなくても適用の可能性あり)

以下のようなケースでは「居住用」として認められない可能性があります。

• 投資用の賃貸物件(賃貸収益を得ている場合は対象外)

• 住民票はあるが、実際には住んでいなかった場合(空き家にしていた場合など)

住民票の移動だけでは「居住していた」と認められないこともあるため、実際に生活していたかどうかが重要になります。

✅ 住まなくなって3年以内に売却すること

すでに引っ越している場合でも、「住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」に売却すれば3000万円控除が適用できます。

📌 ケース:2022年3月に引っ越し → 2025年12月31日までに売却すればOK

✅ 一定の居住期間は不要

3000万円控除には、「何年以上住んでいなければならない」という要件はありません。

例えば、購入して1年しか住んでいなかった場合でも、居住実態があれば適用可能です。

ただし、税務調査では「本当に住んでいたのか」が厳しくチェックされる可能性があります。

「投資目的の短期保有」とみなされると適用を否認されるケースもあるため、実際の居住実態が重要です。

3. 3000万円特別控除を利用する際の注意点

⚠ 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと

特別な関係には、この他生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

⚠ 住宅ローン控除との関係

売却後に新しい自宅を購入し、住宅ローン控除を利用する場合、3000万円控除と併用できないケースがあります。どちらが有利かは慎重に検討する必要があります。

⚠ 会社員でも確定申告が必要

この特例を適用するには、会社員であっても確定申告が必要です。売却した翌年の2月16日~3月15日に税務申告しましょう。

※この記事の内容は2025年3月時点の制度に基づいています。

※実際の適用の可否については、税務署や税理士にご確認ください。

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