「長期間相続登記等がされていないことの通知」とは?

手紙

愛知県犬山市/名古屋市丸の内 の司法書士 丹羽一樹です。

相談事例として、まだまだ頻繁にお見かけするものではございませんが、法務局は、長期間相続登記が行われていない土地の登記名義人の法定相続人(の内の任意の1名)に対して、「長期間相続登記等がされていないことの通知」をしています。私も過去に一度だけ、ご相談者様から拝見したことがございます。

もし、このような通知が突然届いたら、驚かれたり、怪しむ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、あなたの遠い先の親族の法定相続人を辿っていくと、巡り巡ってあなたが法定相続人に該当してるというケースは考え得ることと言えます。
ただし、仮にこのような通知が届いても慌てる必要はございません。
要は、法務局より「相続登記を長期間放置しています。相続登記をしませんか。」という連絡がきたということです。

では、「長期間相続登記等がされていないことの通知」が届いたらどうすれば良いか?

まずは、法務局から、「法定相続人情報」を取り寄せるとよいでしょう。
「法定相続人情報」とは、被相続人(亡くなった方のこと)の相続関係を一覧化した図です。
2022年10月3日からは、この「法定相続人情報」は、どこの法務局でも取得でき、無料となっています。
また郵送による取り寄せも可能となっています。代理人に取得を依頼することも可能です。

法定相続人が分かれば、一般的には、「法定相続人情報」に記載されている法定相続人の住所宛に連絡を取った上で、その法定相続人全員の遺産分割協議により、誰がその土地を相続するかを決めていくことになります。
(遺産分割をせず、民法の定める法定相続分の割合に従って、法定相続人全員の名義にすることも可能です。)

ところで、「法定相続人情報」はいつどうやってできているのか?

余談ですが、この「法定相続人情報」はどうやって作られていると思いますか?
法務局が作成していますが、実際には全国の司法書士事務所などに戸籍の収集や「法定相続人情報」の作成を発注しています。
私が実際にその作業に取り組んだことはないですが、同僚が作成したものをチェックをした際、江戸時代に亡くなった被相続人の「法定相続人情報」(案)もよく見かけました。つまり、親や祖父母世代に限らず、どこかもっと上の世代から巡ってくるという可能性があると言えます。

この「法定相続人情報」は、長期間相続登記を放置している場合に、必ず法務局によって作られている訳ではありません。
ただ、通知がされているケースにおいては、この「法定相続人情報」は用意されています。
通常、相続登記をする際には、戸籍一式等を集める必要がございますが、「法定相続人情報」が有る場合にはその必要はございません。

実際のところ、どうしたら良いか?

2024年4月1日より、相続登記が義務化となり、放置している場合には進めていく必要がございます。
ただし、慌てて進める必要はなく、また、実際には遺産分割協議が難航している方もいらっしゃると思われます。

まずは、ご自身がどのような状況にあるのか、どのような対応が考えられるか、お気軽にご相談ください。

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