司法書士へご相談・ご依頼の際、「何をどう伝えたらいい?」

名古屋市中区(錦・丸の内)の司法書士 丹羽一樹です。
司法書士へ、登記や相続のことをご相談・ご依頼される際、
「何をどう伝えればいいだろう」
「どこから説明すればいいだろう」
「そもそも、自分でも何が問題なのかうまく整理できていない」
ということもあるかと思います。
結論からいえば、(少なくとも私へ)ご相談される場合、最初からきれいに整理してお話しいただく必要はありません。
- 「相続のことで気になっていることがあるけれど、何から手をつければいいのか分からない」
- 「不動産の名義を変えたいと思っているけれど、本当にその方法でいいのかも分からない」
- 「何となく心配なことがあるけど、それを司法書士に相談することなのかも分からない」
そんな状態のままでも構いません。
まずは、今分かっていること、気になっていること、最終的にどうなればいいと思っているのかなどを、そのままお話しいただければと思います。
お話を伺いながら、
- 「まずは今の状況を法的に整理してみましょう」
- 「問題になっているのはこの点ですね」
- 「分解が必要な話は分解して考えましょう」
と整理させていただきます。
それが、専門家が対応することの大きな意味合いだと思うからです。
「関係ないかも」と思うことも、ご遠慮なくお話しください
手続きに必要な情報・資料については、こちらから確認させていただきます。
ただ、それとは別に、
「最終的にはこうしたい」
「実はここが一番気になっている」
「こうしたいと思っているけれど、本当にこれでいいのか分からない」
「手続きとは関係ないかもしれないけれど、こんな事情がある」
といったことも、差し支えない範囲でお話しいただければ幸いです。
例えば「不動産の名義を変えたい」というご相談があったとします。
登記手続だけの話をすれば、必要な情報を確認し、書類を揃えて登記の申請をすることになります。
しかし、
「なぜ名義を変えたいのか」
「その後、その不動産をどうしたいのか」
「なぜその方法を選ぼうと思ったのか」
まで伺ってみると、単に依頼された登記をするだけではなく、その前に他に考えておいた方が良いことが見つかる場合があります。
一見すると手続きとは直接関係無さそうな何気ない一言が、実は大事になることもあります。
専門家として、人と話すときに心掛けている3点
こうしたことを改めて考えてみると、私が人と話するときに心掛けたいことは、大きく次の3点に整理できます。
① 相手の考えや事情を理解しようとすること
② 自身の考えを示すこと
③ 堅苦しくなり過ぎないこと
なお、あくまで“心掛け”ですので、私が完璧にできているとお伝えしたい訳でありません。
① 相手の考えや事情を理解しようとすること
まずは、相手が何を考えているのかを理解しようとすること。
お客様とお話をしていると、私なら選ばない方法をご希望されることもあります。
そんなとき、「それは違う」と結論づけるのではなく、「なぜ、その方法を選びたいのだろう」と考えるようにします。
話を伺ってみると、金銭的な事情があったり、ご家族との関係があったり、それまでの経緯があったりします。
仕事に限らずですが、「私が気付いてないご事情があるかもしれない」ということを忘れないように心掛けたいです。
こちらから結論を決め打ちするのではなく、まずはお話を伺いながら、一緒に整理していければと思っています。
② 自身の考えを示すこと
もっとも、相手を理解することと、相手の希望に何でも同意することは別です。
事情を伺って、「なるほど、だからこの方法を希望されているのか」と理解できたとしても、
「そう考える理由は分かりました。ただ、今回は別の方法がベターかもしれません。」とお伝えすることもあります。
専門家である以上、御用聞きになるのではなく、「本質的に考え、その考えを提示する必要がある」と考えます。
③ 堅苦しくなり過ぎないこと
上記のようなやり取りをするにしても、なるべく堅苦しくはしたくないと考えています。
こちらが必要以上に堅苦しければ、
「こんなことを聞いたらおかしいだろうか」
「うまく説明できないから、もう少し整理してから相談しよう」
「これは関係なさそうだから、言わなくていいか」
と思わせてしまうかもしれません。
しかし、むしろそうしたところに、大切な事情が隠れていることもあります。
雑談のような話の中で、
「そういえば……」
と出てきた一言によって、こちらからお伝えできることが増えることもあります。
そのためにも「あまり構えなくてもいい、話しやすい人」でありたいと思っています。
この3点を“ぐるぐると”補っていく
もちろん、私自身、この3点をいつでも満たせているわけではないと思います。
それに、どれか1点を重視すると、他の点が弱くなることもあります。
相手を理解しようとすることに寄り過ぎれば、ただ相手に合わせるだけになってしまうかもしれないので、「自分ならどう考えるのか」を改めて確認します。
反対に、自分の意見が強く出過ぎたときは、もう一度、相手が「なぜそう考えたのか」を振り返るようにします。
そして、話が堅くなり過ぎたなら、もう少し構えず話せる話題へ戻すようにします。
このようにして、
「他者への理解」「自身の考え」「柔らかさ」の3点をぐるぐると補いながらバランスを取っていきたいと思っています。
これは、お客様とお話しするときに限ったことではないと考えています。
まずは、整理できていないままでも大丈夫です
最初の「何をどう伝えたらいい?」という話に戻りますが、
司法書士へご相談いただく前に、必ずしもお客様ご自身で問題をきれいに整理していただく必要はないと考えています。
お話を聞きながら一緒に整理していきます。
ですから、
「何から話せばいいのか分からない」
「自分でも何が問題なのかよく分からない」
「ただ、何となく気になっている」
というところからでも構いません。
そして、こちらから質問されたことにお答えいただくだけではなく、
「実は、こんなことも気になっている」
ということがあれば、それもご遠慮なくお話しください。
その何気ない一言によって、「本当に考えるべきこと」に気付くこともあります。
